概要:光と火花の動きを再構成したモーショングラフィック作品

光が走る瞬間や火花が散る一瞬のエネルギーを、ジェネラティブな動きとして再構成し、3 面の空間へ展開した作品。
3 面構成という空間を“材料特性”として扱い、このサイズ・この配置だからこそ成立する動き方を探りながら組み立てている。
自然物がもつ偶然性と、人工的な制御のバランスを調整し、空間の中に緊張と解放が交互に現れるように設計した

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VCV Rackによる楽曲制作
VCV Rackによる楽曲制作
TouchDesignerによる映像制作
TouchDesignerによる映像制作
技術構成

映像は TouchDesigner、音はモジュラーシンセをPC上で再現できる VCV Rack を使用。
VCV Rack で生成した音のエネルギーを OSC 信号として TouchDesigner に送り、音と映像が同じロジックのもとで動く自律的な構造を組んだ。
モーションの方向性を定めるため、約100個のモーショングラフィックを分析し、速度・リズムの特徴を抽出した。そこから得た“動きのルール”をジェネラティブ構造へ落とし込んでいる。
制作プロセス
1. 動きのインプット
約100のモーショングラフィックを分析し、速度・リズム・緩急といった“動きのルール”を抽出。自然現象のエネルギーを空間へ展開するというテーマを設定した。
2. 自然現象の抽象化
光の走り方や火花の散り方を観察し、そのリズムを抽象化してモーションへ転写。偶然性と制御のバランスを調整し、人工物では出ない揺らぎをつくった。
3. 空間と材料特性の設計
三面構成という制約を作品の“材料”と捉え、サイズ・視点距離・角度を踏まえた“この空間だから成立する見え方”を構築した。
4. 音の自作とロジック化
VCV Rackで音をゼロから制作。光の爆発力や緊張感と連動した強弱・間を組み、音自体が作品のロジックになるよう設計した。
5. 音と映像の同期
VCV RackTouchDesignerOSC 信号を送り、キックで発光が変化するなど、音のエネルギーが直接映像に影響する構造を構築。
6. 空間での検証
三面環境で光量・動き・リズムを実際に確認し、空間全体として最も美しく見える状態へ調整した。
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