概要:軌跡を重ねる体験型インスタレーション
鑑賞者の動きをカメラで取得し、リアルタイムで解析して残像として積層させる作品。
その場を通り抜けた人々の身体の軌跡が空間に蓄積し、“時間が溜まっていく”ような視覚体験が生まれる。
その場を通り抜けた人々の身体の軌跡が空間に蓄積し、“時間が溜まっていく”ような視覚体験が生まれる。
課題テーマである「時間の視覚化」を、自分の身体と空間を使って直接成立させたいと考え、来場者の動きを素材とするアプローチを選んだ。デジタル表現の最初の作品として、現実と残像が重なる瞬間をそのまま作品に変換している。
技術構成
カメラ映像から動体部分を抽出し、位置・速度情報を基に残像を生成する処理を TouchDesigner 上で構築。抽出したシルエットをフレーム単位で蓄積し続けることで、時間が層として可視化される仕組みを設計した。
TouchDesignerの動体抽出処理
制作プロセス
1. 着想
課題:「時間」を視覚化せよ
「時間」を記録の積層として捉え、鑑賞者自身の動きを素材にする方向へ設定。軌跡が積層することで、時間を直接的に視覚化するアプローチに決めた。
2. 未経験からのシステム構築これが初めて行ったデジタル技術を使った作品で、TouchDesigner を一から学び、カメラ入力を使った独自の残像生成システムを実装。処理負荷とリアルタイム性の両立を調整した。
3. 展示場所の再構築課題指定の教室ではなく、動線が最適な廊下での展示を提案し交渉して確保。黒幕で自然光を遮断し、投影面や機材を自ら整備して空間を再構築。環境そのものを作品に合わせて組み替える初めての経験となった。
4. 空間とインタラクションが生む体験の発見
鑑賞者が通るたびに軌跡が堆積し、時間が視覚化される体験が評価され、最高評価を受けた。デジタル技術の可能性と空間そのものを作品として扱うインスタレーション表現の魅力を掴むきっかけになった。
鑑賞者が通るたびに軌跡が堆積し、時間が視覚化される体験が評価され、最高評価を受けた。デジタル技術の可能性と空間そのものを作品として扱うインスタレーション表現の魅力を掴むきっかけになった。